2.3 マネジメントは全体最適の視点が重要
データマネジメントは組織全体のデータ管理を対象とします。
特定の組織などの部分最適で終わるのではなく全体最適の視点を基に、データの中身や利用される範囲などを理解して、行動に移す必要があります。(※優先順位の付け方によっては一部から取り組むケースもあります)
「2.1資産としてのデータ」でお伝えしたとおり、データ資産はその特性からコピーや共有が可能です。
必要であればどこでも何回でも使うことができる魅力的な資産ですが、複数の領域(部門や役割など)をまたいで使われることもあり、データの複製や用途に合わせた独自の修正をかけて使われることが多数生じます。
一例として、以下の図は人事部を想定した際の「役職ごと(業務担当・課長・部長)のアクセス可能なデータソース」と「データの用途」の関係性を表したものです。
人事部は「勤怠情報」や評価の参考となる「業務実績」、「給与情報」などさまざまなデータを取り扱います。
データごとにソース(データの所在)はそれぞれ分かれており、人事評価や人時生産性(従業員1人の1時間当たりの生産性)をみる場合、データソースを掛け合わせて分析していく必要があります。
一般的に人事のデータは個人情報が含まれていることから、担当・役職ごとでアクセスできる範囲が決まっています。
例えば、上図のとおり「業務担当」は社員の「勤怠データ」のみアクセスできます。
「課長」はそれに加え社員の「業務実績データ」にアクセスができます。
「部長」は「給与情報も含めた全てのデータ」にアクセスが可能な権限をもっています。
人事部のデータを例として扱いましたが、データの用途は組織における領域や役割に応じてさまざまです。
データ利用の目的、利用要件を組織全体で定めていき、データのヌケ・モレ、データの重複、ワンオフ(一回限りの利用)をなくせるよう、全体最適の視点が欠かすことなく、マネジメントしていくことが大切です。
次の記事では「データのライフサイクル」について確認します。