2.2 データは品質管理が必要
データが高品質であることで、意思決定の質・スピードを向上させることができます。
実際の業務では「顧客が興味を示す最新のトレンドを捉えて商品の開発につなげたい」、「生産プロセスで問題が生じたとき、どこに問題があるか原因をすぐに突き止めたい」などのさまざまな局面が訪れます。
その際に高品質なデータが揃っていれば、分析を行いすぐにアクションにつなげることができるでしょう。
逆にデータの品質が悪い場合、誤った意思決定を行う可能性が生じます。
例えば、「データの数値が誤っている」、「○〇年~直近までのデータが揃っていない」「分析に必要なデータが手元に無い」などのケースです。
誤ったデータを使ってしまうと、当然ですが判断が誤ることにつながります。
また、分析に必要なデータがなければ、利用者の「データを使うことに対するモチベーションが低下してしまう」、「独自でデータを調達することで無駄なコスト(外注費・作業費など)が生じてしまう」、などの問題を引き起こします。
データ品質の状態によって生じる、「高品質のデータから得られる効果」と「低品質のデータから生じる問題」を以下にまとめています。(データ品質の具体的詳細は別記事で紹介する予定です。)
このように、データが高品質の場合、利用者は安心してデータを使うようになります。
そうすると、市場や顧客についての理解が深まり、意思決定の質・スピードが向上し、最終的には収益向上につながる可能性が高まるでしょう。
一方、データが低品質の場合、利用者はデータを使うことを避けるようになります。
また、利用者自らがデータの修正作業を行うことで余分な業務が増え、生産性の低下などの問題につながってしまいます。
高品質なデータを保つためには、ハード面ではデータを管理するための知識や技術、ソフト面ではデータの取り扱い方法を統制する力や計画性が求められます。
品質向上に取り組む際には、主に以下のようなポイントを押さえていくことが大切です。(それぞれの詳細は別記事で紹介予定です。)
・高品質を保つために必要な要件を整理すること
・整理された要件を取り組むにあたり優先順位を付けること
・高品質を保つためのオペレーションを構築すること
また、これらを実行するにあたり、業務担当とIT・システム担当の互いの連携が大切です。
特に、ビジネス面では時間・金銭的制約が生じることで思い描いた計画通り進まない可能性があります。
限られたリソースを使い目標を達成させる方法について、業務とIT・システム担当が粘り強く議論していく必要があります。
次の記事では、「全体最適の視点」について確認します。