【基礎を再確認する】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのか?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのか?

 

記事の内容は?

DX(=デジタルトランスフォーメーション)の概要について説明しています。

どういった方にむけた内容?

DXについて知りたい方、DXの定義の理解を整理されたい方に向けた内容です。

 

今回のお題は「DX(=デジタルトランスフォーメーション)の概要」についてです。DXの定義とDXがなぜ必要なのか?について確認しましょう。

はじめに質問です。「DX」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?

「DX」という言葉は、昔から使われており、いくつかの場面で耳にされた方もいるかと思います。

例えば・・・

・昔はグロンサンはグロンサン「DX」(アップグレード版)という栄養ドリンクがありました。 ※あまりに古いので画像が粗くスイマセン…。

・ホテルの「DX」(デラックス)ルームもありますね。

・最近、稲垣吾郎さんはヤプリというソフトウェア会社のCMで「DX」と言われてました。

・2020年には平井氏がデジタル庁にて「DX」(=デジタルトランスフォーメーション)にむけた取り組みを発表していました。

ここで取り扱う「DX」とは、このデジタルトランスフォーメーションを指しています。

それでは、DXという言葉の定義はどういったものなのか、以下のスライドで確認します。

 

DXの定義を説明した図

DXの定義について

 

広義では「ITで世の中を良くする!」。狭義では「テクノロジーを使い、事業を良くしながら、根底からの変化にも挑戦する!」といった意味合いになります。

ビジネスでは狭義として扱われているケースが多いですよね(ビジョンやメッセージとして広義が使われるケースもあります)。

意味合いで注意頂きたいのは、「テクノロジーを使えば良い」というわけではなく、「テクノロジーを使って事業も良くするし、根底から変えられるものもこの際変えていきましょう。」という点です。

単に「テクノロジーを利用しました!」や「利用してます!」ではDXの実現とは言い難いです。企業としては収益につなげること、競争で優位性を築くこと、などを最終的なゴールとしていく必要があります。

指数関数的にデジタルが進化し、DXに向けた取り組みは世界的に広まっています。

それではなぜ日本でDXが必要とされるのでしょうか?これまで通りの経済活動を進めていけば良いのでは?そのような気もします。

そこには大義名分となる、取り組まなくてはいけない理由があります。

その理由は複数ありますが整理にあたり、「日本国内の状況によるもの」と「国外からの影響によるもの」、2つに分けて紹介します。

はじめに以下の図を参照ください。

 

日本でDXが必要とされる理由(国内からの影響によるもの)

日本でDXが必要とされる理由①(国内からの影響によるもの)

 

国内からの影響による理由の1つは「生産年齢人口の減少」です。

少子高齢化によって、「働ける人がどんどん減っていきますよ。」そのため、「一人当たりの生産性(=効率よく働いて稼げる力)を高めていきましょうね。」というものです。

日本の人口は2011年以降は毎年約0.2%(=約20万人)ずつ人口が減少しています。
このままのペースで人口が減っていくと、約40年後の2060年には生産年齢人口数(=働ける人の数)が、2020年対比で45.9%も減ってしまうそうです!

現在のほぼ半分に減ってしまうというと驚きますよね。(事業所で働いている人が100人いたとして、54人位まで減ってしまう。スペースは広々と使えそうですが…)

国内からの影響による2つ目は「量ではなく質での競争へシフト」です。

「商品を大量に作って、激安で沢山安く売る!という価格主体で勝負する機会は減っていきますよ。」そのため、「1人1人に向けたサービスを提供することで、需要を喚起していきましょうね。」というものです。

人口が減ることで、消費する量も減るわけですから大量生産・販売モデルは通用しなくなるのは当然ですよね。

そうではなく、1人1人に適したモノやサービスを届けることで新しい需要を創出し売上をアップしていきましょうという狙いになります。

人口が1億人もいるのに、1人1人のサービス提供を実現することは難しいことですが、既に色々な業界で取り組みが進んでいます。(例:資生堂 ワタシプラス

以上、国内からの影響を「生産年齢人口の減少」と「量ではなく質での競争へシフト」という観点で紹介しました。

続きまして日本でDXが必要とされる理由を、国外からの影響による観点で紹介します。

以下の図を参照ください。

 

日本でDXが必要とされる理由②(国外からの影響によるもの)

日本でDXが必要とされる理由②(国外からの影響によるもの)

 

国外からの影響による理由の1つは「競争原理の変化」です。

これは、「業界の垣根がなくなりつつありますよ。井の中の蛙だと大海からやってきた黒船に襲来されて、市場を根こそぎ奪われてしまいますよ。」というものです。

具体的に、iPhone等で有名なアップル社の例を引用すると、アップルは自動車業界にいつでも参入出来る状態です。

アップルはOSの開発、デバイスの開発、スマホ普及と成長してますが、その強さの源泉はiOS(アイオーエス)というオペレーティングシステムであり、iOSを軸にさまざまな産業に参入しています。

それに対抗する場合、単にものづくりをするのではなく、サービス全体の仕組みから作らないと、その仕組みを押さえられてしまう可能性があります(iOSに乗っかるかどうかの議論はありますが・・)。

このように、単に一つの構成要素で競争するのではなく、その競争範囲が広まることで業界の垣根が無くなってきている現状があります。

単に国内だけに目を向けていては、ある日海外のゲームチェンジャーに根こそぎ市場をかっさらわれてしまう。そのような危機感を持ちながら、変化することが求められています。

国外からの影響による理由の2つ目は「産業構造の変化」です。

市場の変化に対応すべくトヨタ自動車さんがガソリン自動車の製造を止めたとしたら、トヨタの下に数多と連なる下請け業者が路頭に迷う可能性があります。

これまでの説明の通り、競争原理が劇的に変化していく時代に突入しており、コモディティ化された製品群の一部に依存したビジネスモデルは高リスクと言われています。

これは単に自動車業界のみならず、様々な業界で言えることであり、変化に対応していく必要があります。

産業構造の変化はテクノロジーの進化から生じている部分が大きいです。

私たちの日々の生活から捉えると、スマホ等を通じてサービスとして利用するケースは増え続け、便利さを感じるケースが多々あると思います。

テクノロジーを単に利用するだけではなく、自ら使いこなすハードルも下がっており、テクノロジーという武器を自社の収益向上につなげていくことが以前より容易になっていることから、積極的に利用し、変化に対応していかなくてはいけません。

以上、国外からの影響を「競争原理の変化」と「産業構造の変化」という観点で紹介しました。

日々進化する優れたテクノロジーを会社や個人が利用する機会がますます増えることで、日本全体が良い方向に進んでいけることを願ってやみません。

それでは最後に当記事のまとめです。

 

ここがポイント

  • ①DXとは「テクノロジーを使って事業も良くするし、根底から変えられるものも変化させる」ことを意味する。
  • ②日本は人口が減少しており、量ではなく質への競争にシフト。質を向上するにはDXの考え方が求められる。
  • ③デジタルが普及することで、業界の垣根が無くなっていく。産業構造の変化に対応するために、自らがデジタルを使い改革を進めていくことが求められる。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。次回はDXの具体的事例について紹介します。

 

補足:DXの語源

・デジタルトランスフォーメーションは、「DX」と略して使用されています。英語表記では「Digital Transformation」なので、なぜ「DT」と略さないのか?
その理由ですが、「Transformation」という単語は、「X-formation」と表記されることがあり、その頭文字を取ってD(=Digital)X(=X-formation)と略されるようになったようです。なぜ「X-formation」と表記されのか?それは「Trans」という言葉の由来にあります。この単語はラテン語の「trans」が由来で、「変える」や「超える」といった意味を持ちます。この場合の「trans」は、「cross」という言葉と同義になります。「交差する」という意味の「cross」は省略して「X」と書かれることから、同じ意味の「trans」も「X」で代用されるようになったようです。(出所:wiki

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