4.4 DMBOKピラミッド
DMBOKピラミッドはPeter Aiken(DAMA International元会長)によって作られたフレームワークです。
一般的に、組織は主目的や主事業に多くのリソースをかけます。
実際の現場でデータマネジメントに「いざ取り組もう!」と言っても、CDO(データマネジメントに責任を持つ役員)配置し、データマネジメント戦略をしっかり決めて、マネジメントチームを編成し、データを収集して管理する、というプロセスを一つずつ行う余裕がないケースも大いに想定されます。
そこで、「すぐに準備できるデータ」と「すぐに実行できる業務プロセス」を基に、目標に近づくための方法が開発されています。
以下の図を参照ください。
左側の番号は、作業の順序を表しています。
① まず、「データを蓄積するためのアプリケーションを導入すること」が出発点となり、データモデリングとデザイン、データストレージ、セキュリティの作業を開始します。(すでに対象のデータがある程度に整っている場合は、ステップ②に進みます。)
※①の前に大切なことがあります。必ず「データを扱う目的」を関係者で設定した上で取り組むことにしましょう。
② アプリケーション運用後、蓄積されたデータの品質に問題があることに気がつきます。
品質を高めるにはメタデータとアーキテクチャが必要となります。
そうすることで、様々なシステムに存在するデータの関係について把握することが出来ます。
③ データガバナンスはいずれの領域を統制するために必要です。
ガバナンスが成立すると、蓄積された高品質なデータとビジネスインテリジェンスを使った戦略的なデータ活用の取り組みが可能となります。
④ 適切に管理されたデータを使うことで、高度分析が可能となります。
①~④については、あくまで一例であり、組織によっては順序が変わるとも言われています。(私の経験からしても、①で蓄積されたデータを③のビジネスインテリジェンスで分析を行い、不備が生じた点を②で確認しながら進めるということもありました。)
どういった順序を辿ったとしても、データマネジメントの実現に向けていずれは各領域に対して本格的に取り組む必要があります。
このようなフレームワークを使うことで、「基本に立ち返りながら改善していくこと」は、最大限の効果を得るための近道なのかもしれません。
以上、データマネジメントにおける主なフレームワークを紹介してきました。
次の記事では「まとめ」として、これまで紹介してきたデータマネジメントのポイントについて再確認します。