データマネジメント戦略を策定するにあたり、最も大切な「ゴール」のイメージを、早い段階で確認しておきたいと思います。
データマネジメント戦略のゴールとは、「データ活用を通じて個人・組織の収益や成果につなげること」です。
データマネジメントに関わる人達は、最終的に何らかの価値を提供していく必要があります。
例えば、最新のテクノロジーが搭載された高性能なデータ分析基盤を作ったとしても、課題解決につながる意思決定を「素早く」、「簡単に」導くことができなければ、せっかくかけた時間やお金が無駄になってしまいます。
それでは、データマネジメント戦略のゴールとはどのような構成になっているのでしょうか?
以下のイメージ図で確認します。
ここではデータマネジメント戦略のゴールを「収益の向上」・「コスト削減」・「組織変革による成長」の3つに分けています。
「収益の向上」では、顧客データを収集・分析することで顧客の理解を深め、より高品質なサービスにつなげます。
例えば、デジタル上の顧客行動を分析し、最適な広告やおすすめを表示させたり、需要のあるサービス提供をする、などです。
収集したデータや分析の際に定義したモデル・ノウハウを外販向けにサービス化することで、新たな収益確保につなげることもできます。
「コスト削減」では、データを分析・共有するための環境作りや運用・管理方法を効率化することで、データの取り扱うオペレーションの無駄をなくし、コスト削減につなげます。
それと同時に、データ人材(データを活用できるスキルのある人)の育成・教育方針も含めたデータ活用環境を作ることで関係者がスキルアップできれば、さらなる生産性向上につなげることもできます。
「組織変革による成長」では、データに基づき事業の意思決定を行っていく文化作りを行います。
勘や度胸に頼った意思決定だけではなく(これらが大切なケースもあります)、データから得た情報も判断材料に含めることで、意思決定の質を向上させます。
関係者の皆がデータを積極的に利用出来るようになれば、事業の課題や問題点を素早く察知出来るようになり、変化の対応力向上にもつながります。
ここで紹介した3つはデータマネジメント戦略の基本的なゴールとなります。
これを基にゴールイメージを具体化し、取り組みます。
以上、データマネジメント戦略の概要について説明しました。
実際に取り組みはじめると、その範囲の広さや内容の多さに苦戦されることがあるかと思いますので、別の記事で掘り下げて紹介できればと思っています。
次の記事ではデータマネジメントの取り組みにあたり、現状を把握し最適なアクションにつなげていくために参考となる「データマネジメントのフレームワーク」について紹介します。