1.データマネジメントとは?
初めにデータマネジメントの概要について確認していきましょう。
1.1 データマネジメントが必要とされる背景
”Data is Oil.”(データは石油である。)これは2017年5月にアメリカの経済紙「The economist」で発信されたフレーズです。
そこでは20世紀初頭に石油が重要な資源であったように、データは新しい時代の資源であると言われています。
「GAFA」(Google・Amazon・Facebook・Appleの頭文字)と呼ばれるメガIT企業群はデータをフル活用しそれを収益につなげて拡大してきました。GAFAを筆頭に、現在はさまざまな企業がデータ活用に取り組んでいます。
データ活用が普及する背景には、デジタル化(アナログをデジタルへ変えること)の広がりがあります。
現在はテクノロジーの進化によって多くの情報が電子化されており、その裏では膨大なデータが蓄積されている時代です。過去に取り扱いが難しかった画像や音声などもデータ化されるようになっています。
日常生活ではオンラインショッピングやSNSでのコミュニケーションが自然に扱われるようになり、企業はそこで収集するさまざまなデータ(名前、住所、購入日、商品名、購入方法など)を集計し、分析し、意思決定につなげることで、事業活動の改善につなげています。
「ビッグデータ(巨大なデータ群)」の3要素といわれる、データの「Volume(量)」「Velocity(早さ)」「Variety(種類)」は飛躍的に増え続けています。
ビッグデータという言葉は2010年代初頭からキーワードとして使われているように、以前からデータを蓄積する技術は早くから普及してきました。
その一方でさまざまなデータをつなぎ合わせて使う技術はその後を追っており、十分な普及に至っていません。
その結果、データの価値を十分に引き出せていないケースが日本では見受けられます。
データマネジメントは、データから生み出す価値を最大化することを目的としています。戦略策定や実行計画をはじめ、データの収集・運用・管理を行うにあたり必須の手法です。
日頃からデータを活用する人たちにとっては、計画・方針・スケジュール・アクションなどの一連のサイクルを身に付け、データのフル活用を実現するために役立ちます。
データマネジメントの取り組みはまさに時代に即したものといえ、これからますます求められていくでしょう。
それでは、データマネジメントは具体的にどういった要素で構成されるのか?次の記事で確認していきます。